巌窟王、鉄仮面、白髪鬼、野の花、青空菜園、晴耕雨読、野鳥、野草

黒岩涙香の巌窟王、鉄仮面、白髪鬼、野の花の口語訳、青空菜園、野鳥・花の写真、ピアノ、お遍路のページです

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美人の獄 (金櫻堂、今古堂 発行より)(転載禁止)

ボア・ゴベイ作  黒岩涙香、丸亭素人  共訳翻案  トシ 口語訳

ボア・ゴベイ「メーブリック事件」の翻案小説

since 2015.9.6

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この作品は当て字が多いので、読みを振ると()だらけになるので当て字はなるべく止めて、読みに当たる現代の漢字に直しました。

難しい漢字には煩わしいかも知れませんが振り仮名を付けました。

原作には各回に見出しは付いていませんが、便宜上簡単な見出しを付けます。

トシ 口語訳

            序

 花に嵐、月に叢雲(むらくも)、ままにならないのが浮世である。春は花咲く弥生中、花見遊山に大勢でにぎやかに騒ぐ処女(むすめ)に引き換え、裏店に手内職をしながら細々暮らし、不幸を嘆(かこ)つ乙女あり。夏は涼しい川風を袂に受けて舟遊び、暑さを知らぬ風流男(みやびお)があれば、焼き付く様な炎天に、笠をも冠(き)ずに車を挽き、玉なす汗を拭く暇も無い辛い世渡りに、涙呑み込む貧困者もある。秋の月見に冬の雪、皆その臨み方に依って、種々の感覚を呼び起こす。実(げ)に世の態(さま)は百人百様だ。今この書に書かれている美人雪子も、思わぬ罪を身に受けて、乾(ほ)す方法も無い濡衣を着て、軟弱(かよわ)い花の風情で、非常に恐ろしい牢獄の暗い小部屋に繋がれている。それは未だしも我慢出来様るだろうが、世上(せけん)の人の口端にかかって、大罪人よと言い囃(はや)さるれに至っては、苦しさは限りないに違い無い。是は水面で塵芥が浮き沈むのに似て、どうにも人力の及ぶ処(ところ)では無い。涙香小史、丸亭素人(がんていそじん)の二氏、神通自在な艶筆を以って、この小説を訳出し、題して「美人の獄」と言う。行文極めて巧みで、内容紙上に溢れ、読み進むに従って、悲憤交々(こもご)もに起こって、巻を置く事が出来なくなる実(げ)に面白い一小説である。為に所感を記して、以って巻端を埋める。

     明治二十三年夏日

                        夢幻散士誌す


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