musume04
嬢一代 (明文間館書店刊より)(転載禁止)
バアサ・エム・クレイ作 黒岩涙香 翻案 トシ 口語訳
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04. 訳者より読者へ
右二題の手紙を読めばここに訳出する「嬢一代」が如何なる書で、又何の為に訳述するかは明らかである。余は白髪鬼を訳述して女性を罵(ののし)ってしまった。その罪滅ぼしの一端と思い、WT氏より送って来た書を一々読み尽くして見た。いずれも非常に面白いけれど、余の無骨な筆には合わない。止むを得ずその中の最も短いものを選び、「嬢一代」と題し、掲げる事とした。
「嬢一代」は憂鬱たる美術家「メランコリー・アーチスト」という絵画の分野名を得、目下英国に並び無き画家、ダントン氏の令嬢何某の実伝の一部である。白髪鬼を読んで眉を顰(ひそ)められた諸姉諸君、更に本書を読んで嫣然(えんぜん)と一笑せられれば、訳者の罪、幾らかは軽減するのではないか。
※注 嫣然(えんぜん)・・・・あでやかに笑う様 にっこりと
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