巌窟王、鉄仮面、白髪鬼、野の花、青空菜園、晴耕雨読、野鳥、野草

黒岩涙香の巌窟王、鉄仮面、白髪鬼、野の花の口語訳、青空菜園、野鳥・花の写真、ピアノ、お遍路のページです

busidou0

悪党紳士   (明進堂刊より)(転載禁止)

ボアゴベイ作  黒岩涙香 翻案  トシ 口語訳

since 2014.6.21

下の文字サイズの大をクリックして大きい文字にしてお読みください

文字サイズ:

更に大きくしたい時はインターネットエクスプローラーのメニューの「ページ(p)」をクリックし「拡大」をクリックしてお好みの大きさにしてお読みください。(画面設定が1024×768の時、拡大率125%が見やすい)

悪党紳士        涙香小史 訳

               序

 悪党紳士とは面白し、如何なる者を悪党紳士と云うか余未だ之を知らず。余知らざれども読者既に知らん。此は是れ先に絵入り自由新聞に連載せし小説にて方今(ほうこん)普(あまね)く人の知る涙香先生の筆に成るものなり。故に読者の知る処なり。然れども余は全く知らず。知らざるには有らねど原文紙面を一読する能はざればなり。予は久しく書売りを業とし、而して其の暇無き為め未だず此の全文を知らず。然るに或る人告げて曰く、絵入り自由新聞に似而非(にてひ)と題するあり。即ち涙香黒岩先生の訳に係る者なり。其の事柄の喜々として能(よ)く人情に通じ、一読三嘆に絶へざるものなり。是一部の書冊として再び世に公にすべしと。是に於いて予其人に謝し、直ちに腕車を走らせて之を訳者に問ふ。先生答へず、只冷笑するのみ。予又問ふて曰く、似而非(にてひ)とは如何なる者か。希(ねがわ)くは之を聴かんと。先生曰く、此原名は即ち閉じたる口と云ふ義なり。故に對(こた)へず、亦之を似而非(にてひ)とせしは紳士に似而(にて)紳士に非(あら)ずとの意なり。然れども若し一部の書冊と為さば寧ろ悪党紳士として然らん可と。予即ち其意を悟り、請ふて以って活字に附す。時に友人富田君来たりよって此説を談話す。君好んで之を請ふこと切なり。就(つい)て其辞するを得ず。是に至って之を譲る時に序(ついで)をと請ふ。余不審に堪へず。序(ついで)とは何ぞ君。序(ついで)とは即ち序(じょ)なり。序なふては如何にせんと。余案を叩ひて曰く。ハハア序(ついで)、嗚呼序かと空言を書して巻首に題すと解云。
                       
                  扶桑橋の辺に住む
  明治二十三年三月            夢廼家さむる識
              



次(第一回)へ

a:338 t:1 y:0

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional

巌窟王、鉄仮面、白髪鬼、野の花